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6月末ごろに株主優待で図書カードやクオカードがたくさん来たので、今月は無駄に雑誌や本を買っています。
大昔は割と読書好きだったのですが、最近は通勤電車の中でも読書よりもスマホをいじっていて、読書量は年に10~20冊程度と激減しています。
今月勢いで買った本は6冊で、すでに読んだ本は以下の4冊です。(残る2冊は投資本です)
ジャンルはバラバラですが、いずれもオススメの作品なので、ご紹介します。
 

星を継ぐ者:SFの超有名作品
「月面調査員が真紅の宇宙服をまとった死体を発見した。綿密な調査の結果、この死体は何と死後五万年を経過していることがわかった。果たして現生人類とのつながりはいかなるものなのか。やがて木星の衛星ガニメデで地球のものではない宇宙船の残骸が発見された……。ハードSFの新星が一世を風靡した出世作。」

SF作品は好きだったのですが、何故かこの超有名作は読んでいませんでした。
SFでよくある戦争作品ではなく、謎解きがメインです。
さすがは”SF小説の金字塔”と言われるだけあって、面白かったです。
とても30年以上も前に書かれたとは思えない作品です。 
でも、一番最後の”落ち”は途中で解ってしまいました。


下町ロケット:半沢直樹で有名な池井戸さんの直木賞受賞作
「研究者の道をあきらめ、家業の町工場・佃製作所を継いだ佃航平は、製品開発で業績を伸ばしていた。そんなある日、商売敵の大手メーカーから理不尽な特許侵害で訴えられる。圧倒的な形勢不利の中で取引先を失い、資金繰りに窮する佃製作所。創業以来のピンチに、国産ロケットを開発する巨大企業・帝国重工が、佃製作所が有するある部品の特許技術に食指を伸ばしてきた。特許を売れば窮地を脱することができる。だが、その技術には、佃の夢が詰まっていた。男たちの矜恃が激突する感動のエンターテインメント長編!」

テレビドラマ「半沢直樹」が有名になってから「ロスジェネの逆襲」を読んで、これが池井戸さんの2作目です。
なんと、つい最近までテレビでやっていた「ルーズヴェルトゲーム」と前半部分の話がとてもよく似ていました。
”二番煎じ”になるので、この作品でドラマ化はもう無理なのかな?(知らんけど)
それと、池井戸さんは「ロスジェネの逆襲」でTOBの制度を勘違いして書いていましたが、
この作品でも特許関係で明らかに間違っている箇所がありました。
どちらもストーリーに多少影響する個所だったので、分っていながら仕方なく書いたのでしょうか?
文句ばかり書いていますが、夢のある作品で、とても面白かったです。


海の都の物語(上)(下):塩野七生さんの作品です。
「ローマ帝国滅亡後、他国の侵略も絶えないイタリア半島にあって、一千年もの長きにわたり、自由と独立を守り続けたヴェネツィア共和国。外交と貿易、そして軍事力を巧みに駆使し、徹底して共同体の利益を追求した稀有なるリアリスト集団はいかにして誕生したのか。ヴェネツィア共和国の壮大な興亡史が今、幕を開ける。「ルネサンス著作集」中の大作。 」

ここ10年くらいの間、塩野七生さんの作品は新作が出たらすぐに買っています。
特にお気に入りは「ロードス島攻防記」と「十字軍物語」で、どちらもイスラム教とキリスト教の戦いがメインの話です。
さて、本作は1千年続いたヴェネチア共和国の話です。
周りが狂信的なイスラム/キリスト教国なのに対して、商人国家として現実的な国家運営をして繁栄を続けました。
とても面白かったのですが、途中で街作り(土木作業)や政治行政制度の話を長々と書いている箇所はちょっとダレてしまいました。
SFなどのフィクション作品でこれをされると本当に閉口してしまいますが、本作はまだ意味のある内容なので良かったです。
あれだけ長く繁栄した国が、あっけなく滅びるのは悲しいですね。
カルタゴが滅びる時に、ローマ帝国の英雄スキピオが「やがてローマもこうなるだろう」と言ったらしいですが、カルタゴによく例えられる日本もやがてそうなるのでしょうか?